体の中の鉄の量は、通常一定に保たれていますが、何らかの原因で需要と供給のバランスが崩れると、"鉄欠乏性貧血"が起こります。
鉄欠乏性貧血の原因として、最も多いのは過多月経や婦人科系疾患による女性の性器出血(31.6%)です。
また、女性の消化管出血(10.3%)、男性の消化管出血(6.5%)もよくみられます。
生理の量が多い(過多月経)
女性の貧血の原因で最も多いのが、「過多月経」です。毎月の生理では出血とともに鉄も失われますが、出血量が多いと鉄欠乏になってしまいます。また、子宮筋腫や子宮癌など、婦人科系の病気が原因で過多月経が起きる場合もあります。
妊娠や分娩、出産後の授乳
妊娠中はお腹の赤ちゃんに鉄を供給するため、通常より多くの鉄が必要となります。また、分娩時の出血や、出産後の授乳などでも鉄が失われるため、出産前後の女性では鉄欠乏性貧血が起こりやすくなります。
鉄の摂取不足
過度なダイエットや菜食などによる食事の偏りが原因で鉄の摂取不足となり、鉄欠乏性貧血になることもあります。
本記事のご監修
加藤聖子先生
九州大学大学院 医学研究院 生殖病態生理学
(婦人科学産科学)教授